日本統合医療系連合学会 設立趣旨書

人類史上において現代医学(西洋医学)は目覚ましい発展をとげました。しかし、未だ未知の部分が多くこれからの研究課題になっています。我が国における医学の歴史は、中国、オランダ、ドイツ、アメリカ等の国々から医学知識と技術を輸入し、独自に発展させてきましたが、近年になって我が国の医学研究もすさまじい成果を挙げ世界に貢献してきました。
そのような医学の背景の中で、現代医学(西洋医学)と伝統医学(東洋医学)の異なる治療技術があり、その両者は互いに信頼せず、また殆ど協力せずに反目を抱いてきたのが医学史的現実です。しかし、中国、韓国等においては現代医学(西洋医学)と伝統医学(東洋医学)を大学医学部において、それぞれ教育し、どちらにも優劣を付けず、それぞれに発展させてきています。
我が国における伝統医学(東洋医学)は、世界的にもかなり遅れています。東洋医学に対する偏見と差別が東洋医学を後退させてしまいました。
その両者の大きな相違は、西洋医学(現代医学)は、疾病に対する対処療法が主な治療方法になりますが、伝統医学(東洋医学)は、病気は体全体のトラブルと考え、病気の体の一部を診るのではなく体全体を診る方法をとります。このような、現代西洋医学と伝統的東洋医学の中にあって、伝統医学(東洋医学)の迷信を捨て、科学に基づく東洋医学と西洋医学を統合する新たな医学体系を構築したいと考えます。
そこで、私たちは、偏見と差別を捨て現代医学および伝統医学のそれぞれの良さを見出し、新たな統合医療の研究に努める団体に結集を呼びかけ日本統合医療系連合学会を設立致します。なお、当連合学会は、日本未病研究学会、日本医療福祉学会、日本保健医療学会が共同研究部会として平成19年から活動を展開してきた統合医療連合研究会を改組したものである。

平成29年10月5日

日本統合医療系連合学会設立